いとしのネコミミ騎士(ナイト)さま!! ~イケメン騎士軍団と砂の国~

「行くぞ」

「うん」


あたしを馬の背にのせると、シュリもその後ろにまたがった。

手綱を握る手の上に、シュリの熱い手が重なった。



ドキンッ!



瞬間的に、大きく波打つ鼓動。

それはどんどん速く大きく、継続的なものへと変わる。



大好きな人の胸。
大好きな人のたくましい腕。


ここにいれば大丈夫。
どんな危険も怖くない。


だって、ここにシュリはいるんだから。


「シュリさん!」

ユーリの呼び声に、シュリの駆る黒馬が大きく身をそらして低いうなり声をあげた。

そして、二人が作ってくれた逃げ道を猛烈な勢いで走り抜けていく。


「ユナ、遅くなって悪かった」


呟くような小さな声でシュリは言った。


「来てくれるって信じてたもん。でも、本当に無事でよかった」

「あのあとすぐに、カレンたちに助けられたんだ。心配かけてすまない。

それにオレはおまえとの約束はやぶらない」

「うん」


あたしの返事に彼が笑ったような気がした。


その直後。


「えっ……?」
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