いとしのネコミミ騎士(ナイト)さま!! ~イケメン騎士軍団と砂の国~
「シュリ?」
「姫様、離れてください!」
殿を務めていた二人の声が近付いてくる。
と、あたしの体をシュリから引き離す。
って、ちょっと待て!
これ、なんの冗談?
目の前にどういうわけか、恐ろしいほどユル可愛いお顔をした等身大マスコットが二体、真剣な眼差しで立っている。
一体は銀色の狼っぽく。
もう一体は緑色のクマっぽい。
見たことある銀色の狼。
見たことある緑色のクマ。
でも、リアルじゃなくて。
等身大マスコット。
もしかしてって思うけど。
口に出しちゃいけない気もする。
でも、そんな時間的余裕なんてないから、結局聞いてみる。
目をこすって再度確認しながら。
「もしかして……カレンにクラウス?」
「もしかしてではなく、私どもです」
おずおずと問うあたしに、二体は揃って頷いた。
ああ、やっぱり聞いちゃいけなかった。
なんであのお美しいお二人が、よりにもよって、ファニーフェイスのユルカワマスコットキャラになっちゃってるのよ!
しかも、こんな危険極まりない状況で。
姫の緊張をほぐすためにって気を使ったとか?
獣人化よりグレードパワーアップしたってことかも。
でも、なんでか妙に不安なのよ。
どっかで聞いたあの言葉。