いとしのネコミミ騎士(ナイト)さま!! ~イケメン騎士軍団と砂の国~
「戻ってくるんだよな?」
振り返るとすぐそこにシュリが立っていた。
あたしの髪に触れながら、切なそうな瞳で見つめられる。
胸がキュンと鳴る。
そんな目で見ないで。
そんな顔しないで。
「ちょっと時間はかかるかもしれないけど、あたしの場所はここだから。シュリの腕の中があたしの帰る場所だから」
ギュッとシュリの背中に腕を回して顔を押し付ける。
シュリの胸が、とくんとくんって早鐘を打っている。
いつも冷静で、落ち着いているように見えるシュリ。
でも、あたしといるときはいつもこんなにドキドキしてる?
なんか、ちょっと可愛い!
ゆっくりとシュリの顔があたしの顔に近づいてきて。
あたしは目を閉じる。
「ひっめさまぁ、支度できましたぁ? こっちは転送の準備が……って、お取り込み中でしたぁ?」
能天気な声に遮られ、寸前で固まるあたしたちの部屋に次々と来客が現れる。
「ダメですよぉ、騎士長閣下ぁ。やっぱりちょっと早すぎました」
やってくる集団にあたしたちは苦笑い。
「今回はお預けだな。でも、帰ってきたら覚悟しておけよ」
「この間もそう言われたけど、何?」
「今度はキスじゃすまさない」
今度はキスじゃすまさない?
キスじゃすまされないってことは?
もしかして、その先もってこと?