いとしのネコミミ騎士(ナイト)さま!! ~イケメン騎士軍団と砂の国~
あたしはゆっくりとベッドから降りた。
うちのとは違う、大きなベッド。
どんなに寝相が悪くても、これなら落ちる心配ないくらい。
優遇はされているんだろうな。
こんなゴージャスな部屋をあたしに使わせるくらいだから。
でも、どんなことされたって、誘拐された事実は変わらないんだから。
目が思うように開かなくって、目をこする。
泣いたまま寝たせいで、目がはれてるんだ。
ひんやりとする大理石の床を歩く。
ペタリ、ペタリと足に吸いついてくる。
とりあえず、どこに行こう?
部屋の扉をそっと開け、首だけを出す。
どうやら警備らしい人はいない。
左右に長く廊下が伸びて、ろうそくの明かりと、月明かりで思った以上に明るい。
これなら、暗闇で迷う心配はなさそうだ。
でも、姫様って持ち上げる割にこの警備の薄さはなんだろう?
守るほど大事ってわけじゃないってこと?
どっちに行こうか迷いつつ、右に進路をとった。
行くあてはない。
とにかく、どこか出られる場所を探さなくちゃ!!