いとしのネコミミ騎士(ナイト)さま!! ~イケメン騎士軍団と砂の国~
黄金色の砂の結晶が、彼の手の中で光っている。
キレイなんだけど、どうしてなのか。
切ない感じがした。
お土産である『星の砂』みたいな形をした、ちょっとトゲトゲした小さな粒子たち。
「これは……オレたち同士のなれの果てなんだ……」
「同士って……騎士団?」
「獣人たち……すべてだ」
「すべて!?」
「ああ……『星砂病』と呼んでいる病だ。何か月も高熱に苦しみ、体が徐々に砂の結晶になっていく。一度結晶化したら、もはや止められない。待つのは『死』だ」
「じゃあ、この砂漠って!!」
「何千、何万という同士の死骸が積もってできた……」
あたしは何も言えなかった。
この結晶のすべてが、死んだ人たちそのものなんて。
「予防接種とか、ワクチンとか……!!治療薬はないの?」
「今までは必要なかったんだ。この国は女王の持つ『癒しの力』に守られていたからな」
「女王の持つ『癒しの力』?」