いとしのネコミミ騎士(ナイト)さま!! ~イケメン騎士軍団と砂の国~
「獅子王ラエルの力を継ぐ一族のみに与えられた特殊な力だ。ありとあらゆる厄災から守る力。だが、隣国の策略にはまり、その大半が命を落とした。
そして、先代女王が崩御され……護り手を失ったこの国は奇病に侵されてしまったんだ」
「だから……あたしをさらったの?」
シュリは少しためらったあと、ゆっくりとうなづいて見せた。
「どんな理由があろうと、してはいけないことだったと思う。きちんと説明して、おまえには納得してもらって来てもらうべきだったと思う。
だが、時間がなかった。おまえ自身を守るには、こうするしかなかったんだ」
「あたしを守る?」
「この国の隣に魔族の住む国がある。オレたちは今、そこの攻撃を受けている」
「戦争?」
「戦争というにはほど遠いな。一方的にやられているのが現状だ。騎士団も応戦しているが、多勢に無勢。犠牲者ばかりが増えている。情けないほどに……オレたちは国も、そこに住む人さえも守れていない」
「シュリ……」
「魔族は次期女王のおまえを狙っている。手段を選ばず、強引にだ。オレたちにとって、おまえは最後の希望の星なんだ」
「あたし……」
どうしていいか分からなかった。
事情はわかった。
でも、それを理解するには心と頭が追い付いていけてなかった。