いとしのネコミミ騎士(ナイト)さま!! ~イケメン騎士軍団と砂の国~
「すまない。こんなこと言ったところで混乱するばっかだな」
「ううん……事情はわかったから……」
シュリのほろ苦い顔にあたしの胸がギュッと締め付けられた。
あたしで力になれるなら、なりたいよ。
でも、あたし、自信ないの。
そんなふうに言われても、どうやったらいいのかもわからないんだもん。
「ユナ、頼みがある」
シュリがあたしの腕をつかんだ。
熱い。
熱い彼の体温が、あたしの胸の奥の何かを激しく揺さぶる。
「おまえがうちに帰りたいというのなら、ここへ残れなんて強制はしない。
だが、少しの時間だけ……オレにおまえの時間を分けてくれないか?
その代り、オレは命を懸けておまえを守ると約束する! 絶対におまえを守り抜くと誓う!! おまえを全力で守るから……!!」
あたしを直撃するレーザービーム。
『少し考えさせて……』の言葉を飲み込んで。
あたしは小さくうなずいた。
そうすることしか出来なかった。
彼の黒曜石の瞳の奥の、身を焦がすような炎に。
あたしは息をすることさえ、忘れそうになっていた。