いとしのネコミミ騎士(ナイト)さま!! ~イケメン騎士軍団と砂の国~
「敬礼!!」

ふいに階下から凛々しい声が飛んできた。

立ち止まって、声のしたほうを見る。

階下にはホールを埋め尽くす黒衣の集団が、北朝鮮の兵士みたいに一指の乱れなく、号令に従って、あたしに向かって敬礼していた。


「お言葉を、姫さま……」


耳元でフランに囁かれ、ビクっと体が震える。

全然免疫ないじゃん、あたし……


「言葉って……なに?」

「あいさつでいいですから。一言だけで」

「はぁ……」

よくわかんないけど、とりあえず集団に向かって「おはよう」と言ってみる。


「おはようございます、姫様!!」

「おはようございます!!」


緑の髪の体育会系風美青年クラウスの号令に従って、一斉に集団があいさつをした。

その声量、ハンパなく。

鼓膜がびりびりした。
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