いとしのネコミミ騎士(ナイト)さま!! ~イケメン騎士軍団と砂の国~
「あるの? ないの?」
「はぁ。あるにはありますよ。でも、今は時期的によろしくないってことで。地下に保管してあるんです。
もっちろん、とーっても大事にしてますから。毎日のお掃除だって怠ってませんよぉ」
「時期的によろしくないってどういうこと? なんで地下なの?」
「ツッコミますねぇ。って、見たいとか思ってます?」
「もーちろん!!」
あたしがその『ラエル』様の血を継いでいるっていうんなら。
しっかり、はっきり。
拝ましてもらおうじゃない!!
「姫さまのお願いは聞いてあげたいんですけどぉ。地下までお連れしたってことが、騎士長閣下にバレちゃうと、オレ、また反省文書かされちゃうんです。
だから、それじゃないところにお連れしますよぉ。あそこなら今礼拝中で、まず間違いなく怒られないと思いますからぁ」
そう言って、フランは長い廊下をまっすぐに進んだ。
突きあたった螺旋階段を降り、城の隣に並び立つ教会堂にむかって歩く。
幾何学模様の彫りこまれた青銅の扉の奥。
賛美歌に似た音楽が漏れ聞こえた。