いとしのネコミミ騎士(ナイト)さま!! ~イケメン騎士軍団と砂の国~
「いいでしょう。そういうお気持ちになっていただけただけ、我々は幸運だと思わねば……」
カレンはそういうと、二、三度咳払いした。
「さて……ご質問の答えですが。対策という対策がない。それが現状です」
「特効薬とか、治療薬とか……ないってこと?」
「この病はほかにも例がないのです。研究はしておりますが、追いつかないのです。
それでも、なんとか病の進行を抑える薬の開発までは進みました。
しかし、すべての者に施すまでには至っておりません。それに、薬は定期的に飲まねば効果がありません。今はまだ発病してない者も、いつなるかわからないのです」
「あたしなら、それを治せるの?」
あたしはお医者さんじゃない。
看護婦さんでももちろんない。
応急手当ひとつ知らない女子高生。
こんなことなら保体の授業、きちんと聞いておけばよかったかな?
でも、そこでだってお薬の知識なんか教えてくれない。
「姫様は『獅子王ラエル』様のお血を継がれておいでです。姫様に宿る『癒しの力』はどんな病をも退けます。その力に目覚めれば……の話ですが……」
獅子=癒しっていうイメージがどうしてもわかない。
『アナザーワールド』のライオンは、血なまぐさい狩りとは無縁みたい。