いとしのネコミミ騎士(ナイト)さま!! ~イケメン騎士軍団と砂の国~
それから腰に下げた銀色の剣の柄に手を添えた。

「姫さま、フードをかぶってください」

いつものふざけた調子が一変していた。

彼の緊張が、痛いくらいあたしの肌にも刺さる。


あたしは急いでフードをかぶった。

叫び声はだんだん近づいてくる。

それと同時に青空をさえぎる黒い集団が目に入った。



「あれ!! あれ、なに!!!」


あたしの指さす方向を、フランは見つめて舌打ちした。

「チッ!! 黒鳥魔(こくちょうま)かよ!! ユーリ!! 気ぃ、抜くなよ!!」

「フランさんこそ!」

言いながら、ユーリくんも腰の双剣を引き抜いた。

「ねぇ! あれ、なにってば!! コクチョーマってなんなの!!」

「下級魔族です!! 奴らの歩兵部隊です!!」

「って!! こっち向かってくるじゃん!!!!」

黒の集団があたしたちに向かってやってくる。
< 80 / 274 >

この作品をシェア

pagetop