いとしのネコミミ騎士(ナイト)さま!! ~イケメン騎士軍団と砂の国~
フランを見る。
軽薄男のイメージが吹っ飛んでいた。
垂れ目のやる気なさげな瞳だったのがウソみたいに輝いている。
女の涙に弱い?
って、あれ?
あたしもつい最近大泣きした覚えがあるんだけど。
「姫様、あたしも泣いたのにとか思ってません?」
ユーリくんがちょっとやつれた顔をして、あたしを見た。
「わかる?」
「顔に出てますよ」
「だって、なんか不平等なかんじしたから……」
「不平等なんかじゃないですよ。ボク、あのあとすごい大変な目にあったんです。
一晩中、フランさん抑え込んだんですよ。だから、ぜったいに……あの人の前では泣かないでください」
「ああ……そうなの?」
やつれ気味なユーリくんには申し訳ないんだけど。
あたしはちょっぴり嬉しいような。
そーとなれば話は別!
「姫さまぁ、オレやっちゃってもいいっすよねぇ?」
フランの燃える瞳とあたしのそれがばっちり合った。
「好きなだけやっちゃって!!」
了解を得たフランの満面の笑みと引き換えに……
ユーリくんの深いため息が聞こえた。