いとしのネコミミ騎士(ナイト)さま!! ~イケメン騎士軍団と砂の国~
聞いたことのあることだった。
ううん。
知り過ぎている声だった。
でも、そんなわけないよ。
ここは世界が違うんだもん。
あの人がいるわけないよ。
ああ、また夢かな?
あまりに怖くて、あたし気絶でもしてるんだ。
「ユナ!」
シュリの声にあたしは頭をあげた。
そこに、見間違えるはずのないあの人の姿を見つけた。
「黒木……先輩!!」
カラス天狗の大軍をひきつれて。
あたしたちを見降ろしている。
確かに先輩!!
初デートのお相手!!
だけど、あれは何?
あの見慣れないものは何??
背中に生える多いな黒いコウモリ羽。
それがバタバタと騒がしいくらい宙を仰いでいる。
「何、言ってるんですか! 姫様!! あれは隣国魔族の王子ですよ!!」
なにを言ってるの、ユーリ?
魔族?
王子?
「敵?」
『そのとおり』と三人の騎士様たちは大きくうなずいた。
(先輩が魔族の王子ぃぃぃ!?)
って、そんなの絶対にありえないでしょ―――!!