オバサンとわたし~♡の事情~
「いってきまーす!」
わたしは、駆け足で学校へ向かう。
だらだらしてたけど、実際、時間はない。
後ろから自転車のこぐ音が聞こえる。
マズイ!
「おーい、春日!」
あ、・・・・・・アイツだ。
「おはよー!」
「・・・・・・。」
「愛してるぜ。」
「・・・・・・。」
ああ、うっとうしい。
「って、おい!!!!! 待てよ。おはよーは?」
「・・・・・・。」
「そんな怖い目で見るなよ。かわいい顔してんのに。」
「・・・・・・。」
「やっと向いた! 愛してるぜ。」
そーゆーことを軽々しく言うな!!!!
「ちょっと、バカにするのもいい加減にしてよ!」
「何がだよ。」
「何でもよ。」
「何怒ってんだよ。かわいいのにもったいないぞ。」
「怒るわよ!!!!」
桐島 裕。
毎朝わたしに声をかける。
そして、養護施設で育ったわたしをバカにする。
ほんとは、そんな気持ち、これっぽっちもないのに。