満月と君
だけど今日は何かが違っているような気がした。

微かに感じる人の気配。

「他にも誰か来てるのかな」

そう思った私は辺りを見渡した。ブランコに男の子が座っているのが微かに見えた。

私が近づくと、そのブランコに座っている男の子は顔を上げた。

「何してるの?」

私が聞くとその男の子は立ち上がった。

「なんだと思う?」

その時のこの男の子の顔はとても大人びて見えた。

《私よりも年上かな…》

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