お前は絶対俺のもの


あぁ、ヤバい……


頬が熱い。


両手で頬をおさえ、熱を冷ます。


違う……

これは怒りで顔が熱くなっただけで………


ドキドキしてるからとかじゃない。

絶対に。


あんなヤツなんかに惚れたりしない………





―――――――――……

「待ちに待った」と言う言葉の意味の正反対の数学の授業が始まった。


イヤでもこの一時間沖田陸をみてなきゃいけないんだよね。

はぁ……

ひとつため息。


そして悔しいのが……

沖田陸は教え方がかなーり上手いってこと。


あんな性格だから、授業はどうなるのかと思ったけど……


コイツの授業はわかりやすい。


いつも数学の時間寝ている常習犯までもが先生の話を真剣にきいている。

しんと静まり返った教室。

沖田陸の声だけが響いている。


あぁ、本当に悔しい


数学を教えているヤツは、




本当に楽しそうだった。
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