お前は絶対俺のもの


そう言うと、沖田陸は驚いた顔をして、


「は……あはははっ!」

いきなり笑い始めた。

今度驚いたのは私だ。

そして息をひとつはく。


「参ったよ……」




そう言った。

そのときの沖田陸の笑顔に私の胸は少しだけ跳ねた。


「アンタ、すごい数学好きなんでしょ。」

「ご名答♪」


ニシシと笑うヤツ。


今私、長瀬先生の代わりがコイツで良かったって


ほんの少しだけ……


思ったかも。


最低なヤツだったはずなのになぁ。


こんな数日で人の印象って変わっちゃうものなんだろうか。
< 33 / 102 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop