悲しみと魔法と、そして明日と
オヤジが女の子たちと応接間を後にする時にツバキコに話しかけていた。目線は彼女たちの身体を撫で回している。吐き気がする。

瞬間。

ドゴォッ!!

ドシャッ

轟音と共にオヤジは吹っ飛ばされ、壁にぶつかった。白目をむき、首が変な方向を向いているのは気のせいだと思いたい。(新米警備隊員・談)

「ツバキコに触れるな」

先ほどまでしつこくお腹すいたと言っていた細身で短髪を団子にした女の子が片足で立ち、もう片方の足は蹴りを振り切った形で制止していた。無表情で底の知れない目をしている。

「スズありがとぉ!スズにだったら私のファーストキスあげてもイイよ!」

冗談交じりでウインクするツバキコ。するとスズは・・・

チュッ☆

「・・・」←時が止まっている

「ぶふううううううう!!!ほんとにすんじゃねぇええええ!!!私の初チッスがああああああああああ(涙)」

「ツバキコお腹すいた」

「知るか!!!」

「はい、スズさん。アメですよ」

「アユはだから好き」

「初チッスは白馬に乗った岡○准一に捧げるって決めてたのにぃぃぃぃぃぃぃ(涙)」

彼女達は騒ぎながらナツ邸を後にした。もちろんオヤジは完全に無視だ。
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