やくざな主人と生意気ペット

やくざは友達未満､恋人未満､家族以上｡

あ｡
今やっと思い出した｡

こないだ神無月さんに聞こうとしてたこと｡


｢ねえねえ神無月さん｡
質問があったりなかったりあったりします｣

｢お前面倒臭い｡で､何？｣

｢いやね､こないだ早乙女さんに教えてもらったんですけどね､あたしって神無月さんに引き取られたんですよね？｣

｢だから？｣


一瞬､神無月さんは嫌そうな顔をした｡

｢いや…だからその､何であたし引き取られたのかなって｣

やっぱり訊かない方が良かったのかな｡

神無月さんはさっきから一度も目を合わせてくれない｡


｢そろそろ教えておいた方がいいか｣

そう言って神無月さんは吸っていた煙草を灰皿に押し付けた｡

煙たい空気が薄れ､胸の重苦しさから解放される｡


｢いいか､今から俺が言うこと､素直に受け止めろよ｣

｢は？そんなシリアスなの､らしくないじゃないすか｡止めてくださ…｣

煙たい空気から重い空気に変わろうとするのを笑って阻止しようとしたが､神無月さんは真剣な顔で私を見ていたので口を噤む｡


何を言われるのか､怯えている私がいた｡


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