やくざな主人と生意気ペット

　
マイナスイオンイケメンおニイさんに見とれていると後ろから声をかけられた｡


｢おい､お前､神無月さんに飼われてる山田こ…｣

｢飼われてるんじゃありません｡仕方なく居座らせていただいてるんです｡てかなんで翔さんがいるんすか｣


後ろを振り返ると神無月さんの後輩の翔さんがいた｡
相変わらずクールメガネでかっけえな｡


｢お前こそ何をしている｣

｢あたしはジョギングっすよ｡あ､途中でこのおニイさんと……って､あれ？おニイさん？どこ行っちゃったのかな…あはは｣


いない｡
ついさっきってか今の今まで隣に座っていた爽やか系マイナスイオンおニイさんがいない｡



｢あれー？マイナスイオンのおニイさん消えちゃったよ…｡あのですね､まあ途中から一緒に走ってたんですよ｡どこ行ったんだろ｣

｢…もしかしてこいつか？｣


そう言って翔さんは写真を一枚寄越してきた｡
紛れもない､イオン男だった｡


｢やはりか｣

｢え､ちょ､タイム｡何こいつ､誰ッ!…ですか｣

｢ハニートラップ｣

｢え､外人すか｡見えなかったんですけどね…｣

｢違う｡まったく､お前は噂以上に常識の無い女だな｣


えーあたしそんな噂あんのかよ｡
てか待てよ翔｡
馬鹿にするなよ｡



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