やくざな主人と生意気ペット
こはるの耳にはイヤホン。
あの何事にも無関心な山田こはるが音楽鑑賞?
「へぇ、お前がねぇ」
「あっ、ちょ、返して下さいよ」
こはるから奪ったイヤホンをつけてみる。
そこから流れてくる音楽はただ五月蠅いという印象しかない。
歌詞こそは日本語だが、これはきっと世間一般の言うロック、というジャンルに属する音楽なのだろう。
「どうしたの、これ」
「アスカさんに貰いました」
「アスカさんに?」
こはるから取り上げた音楽プレーヤーには一口かじられたリンゴのようなモチーフが描かれていた。
「お前が欲しいって言ったの?」
「あ、じゃなくて…その…」
「何」
「えと…この間、アスカさんが家に来てくれたんです」
「聞いてないぞ」
「言ってないですもん」
俺がいない間に何やってんだ。
アスカさんがレズだってこと忘れたのか。
お前は危ないんだって。