やくざな主人と生意気ペット
「殺し屋とかダサいっすよ」
「は?」
「センスに欠ける。
ただのやくざじゃないすか」
今となっては服従する気はない。
それよりあたしを普通の生活に戻せコノヤロー。
「やくざなんかと一緒にすんな。
てか俺はお前をそんな野蛮な女に育てた覚えはないんだけど」
「あたしは神無月さんに育てられた覚えはない」
何が御主人様、だ。
そういう趣味か?
神無月さんを睨んでいると、腕の所が少し破れてるのを見つけた。
「神無月さん、脱いで」
「あ?何、こはるもやっとその気になった?」
ニヤリと口の端を吊り上げ、耳に息を吹きかけられる。
ド変態め。
「違いますよ。
ここ、破れてる」
その部分に触れると、神無月さんの顔が少し歪んだ。
「神無月さんっ…、
怪我してるじゃないですか」
「触んな、ほっとけ」
「でも……」
「俺の心配するなんて、らしくねぇな」
「心配するのは当たり前です!
神無月さんが死んじゃったらあたし……」
「大丈夫だって、弾掠っただけだか…」
「あたしご飯食べらんないじゃん!餓死なんかやだから!」
「は?」
「神無月さんがいなきゃ誰が飯作るんだよおぉぉ〜」
無言で出された黒光りする、拳銃。
空気、読めてなかった。
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