やくざな主人と生意気ペット
やくざと愉快な仲間達


ある日神無月さんがあたしに言った。

『朝起きるまで一歩もこの部屋から出るな』

そう言われると用事は無いけど抜け出したくなる。


夜中にこっそり、リビングへ。

行こうとしたけど足を止める。


話し声が聞こえたから。


女の声。



まじかよー。
女連れ込んでナニするつもりだよ変態神無月。

あたし一応純情なセブンティーンですぜ?
まだまだ清らかでいたいのですよ神無月さぁん!


「こはる、全部聞こえてる」

「っひゃーい!びびったー!」


後ろからは無しですって、うんマジびびった。

てか心の声全部喋ってたんだ、あたし。


「お前なあ、部屋にいろって言ったろ?」

「知るか!ってかどこまで変態なんすか!
おおおお女連れ込んで…金あるんならホテル行って下さいよ!」

「何言ってやがる。
あの人はなあ…」

「ハァーイ、こんばんは、こはるチャン」


唇に、暖かいものが触れた。


なんでだ。

神無月さんの女に、
ファーストキッス、
奪われてるよあたし。




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