加納欄の出会い シリーズ2
「あれはなんだよ。あの身のこなしは」
「……護身術です。小さい時から習ってたので」
大山さんが、車をスタートさせた。
「いつから?」
「……4才くらいです」
「言えよ。そういうことは」
「すみません。聞かれなかったので」
相変わらず無愛想に答えた。
大山さんは、車を止めると、突然笑いだした。
「沖縄の悪戯坊主相手にしてたって?」
「はい。みんなすぐにいい子になりました」
あたしは、みんなの顔を思いだし微笑んだ。
「やっと笑ったな」
「え?」
「欄、オレと組むからには覚悟しろよ」
あたしの名前が『チビ』から昇格していた。
「よろしくお願いします。大山さん」
「先輩だ」
「はい。大山先輩」

こうして、あたしは大山先輩にくっついて、沖縄にいた時とは、程遠い刑事としての仕事をしていくことになったのだった。


―おわり―

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