「私、先生の事が大好きです…」
 
 朝のHRを終え、私はロッカーへと向かう。
 
 「…っと、ロッカー行かなきゃ…次は現代文かぁ」

 私の学校には、専用の教室がない。
 単位制の学校だから、一応クラスが決められてはいるんだけど、授業はみんな別々に決められた教室に移動する形式なんだ。
 だからもちろん、専用の机もない。
 それぞれ用意されたロッカーを使うことになってて、教科書を全部そこに入れてる私は、授業のたんびにロッカーに直行してる。

 カチャ…
 ヒラ…

 「ん?なにこれ」

 ロッカーを開けると、小さな紙が落ちた。

 「っしょっと…『今日の放課後部室へ♪沙雪』」

 紙を拾うと、沙雪からのメッセージ。
 メールでいいのに、手の込んだことをしたがる沙雪らしい。

 キーンコーンカーンコーン

 と、始業のチャイムが鳴った。私は、教室へと急いだ。
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