「私、先生の事が大好きです…」
 
 「…と、これをつけて…」
 「このノート、ですね?」

 数日後の天体観測。
 
 暗くなった空の下、屋上に集まった天文部の皆はそれぞれ自分の観測ポイントがあるみたいで、ノートを片手に真剣に観察をしている。
 初参加な私は…

「それじゃあ書き方を説明するよ」
「はい!お願いしますっ!!」

 先生が指導役をかってでてくれたお陰で二人だけで勉強中。

 「まず、自分が観測したいポイントを決めて…」
 「自分が観測したいポイント…」
 「そう。例えば好きな星を一つ決めて、動きを観察したり…」
 「好きな星ですか…。たとえば、星座、とかですか?」
 「うん。ただ、それは見れる時期が限られる場合もあるから気をつけてね」
 「そうですか…あ、先生のおススメみたいのってあります?」
 「おススメ…かぁ。金星とかは比較的見やすいのかな?あ、月の満ち欠けなんてのもいいんじゃない?」
 「おっ!月の満ち欠けですか?そういうのもありなんだぁ…」
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