「私、先生の事が大好きです…」
気が付いた時には…
先生の事が気になりだしたのは、いつもと変わらない放課後の事だった。
私は週に一度、学校の隣の図書館に通っていた。
あの日も、私は図書館へとお目当ての本を探しに行っていた。
「あれー。まぁたないよ~」
友達には、文学少女っぽいと笑われるんだけど、前にたまたま読んだゲーテの詩集に感動して、ゲーテの詩のファンになった私は、図書館に通っては、詩集を読んでたりする。
けどここ最近、『ゲーテ詩集6』だけが、いつ来ても貸し出し中らしく、置いてないんだよね。
「ったく、しょーがないなー…」
しかたないので、詩集の7を手に取って読むことにした。
読み耽ってしばらくした時、本から顔を上げたその時だった。
「ああああああああ!!ゲーテ詩集6!!」
図書館ということも忘れ、立ち上がって思わず声をあげる。
丁度視線の先に映ったのは、探しまくっていた『ゲーテ詩集6』の背表紙。
しかし、ここは図書館。思いっきり周りの冷ややかな目線を受け、私は「すいません」とペコペコ平謝りをする。