「私、先生の事が大好きです…」
着席して改めて『ゲーテ詩集6』を読んでいる人の姿を眺める。
眼鏡をかけた、ひょろっとした30代くらいの男の人が、さっきの私の大声にも気が付かなかったようで、真剣にページをめくっている。
(…ん?なんか、見たことある人なきがする…)
「あ!!」
再び、声をあげてしまう私。
もう一度その男の人を眺めて確信する。
うちの学校の科学の川田先生だ。
完全文系を決め込んでいる私は、単位制の学校の特性を存分に生かし、科学系の授業は一切とってない。
そのせいで、ほとんど見たことも口をきいたこともないし、目立たなくて暗い先生で、ほとんど話題にも上らない地味な先生だって印象ぐらいしかない。
けど、友達の沙希(さき)が天文部で、その顧問があの先生だって教えてもらったことがある。『星が好きなやさしい先生』と、沙希は言っていた。
うーん…確かに暗そうな先生だけど、そんなにイヤそうな先生でもないかな。
(あ、先生が動いた!)
先生は立ち上がって貸し出しコーナーへ向かい、そのまま出口へと歩き始めた。
眼鏡をかけた、ひょろっとした30代くらいの男の人が、さっきの私の大声にも気が付かなかったようで、真剣にページをめくっている。
(…ん?なんか、見たことある人なきがする…)
「あ!!」
再び、声をあげてしまう私。
もう一度その男の人を眺めて確信する。
うちの学校の科学の川田先生だ。
完全文系を決め込んでいる私は、単位制の学校の特性を存分に生かし、科学系の授業は一切とってない。
そのせいで、ほとんど見たことも口をきいたこともないし、目立たなくて暗い先生で、ほとんど話題にも上らない地味な先生だって印象ぐらいしかない。
けど、友達の沙希(さき)が天文部で、その顧問があの先生だって教えてもらったことがある。『星が好きなやさしい先生』と、沙希は言っていた。
うーん…確かに暗そうな先生だけど、そんなにイヤそうな先生でもないかな。
(あ、先生が動いた!)
先生は立ち上がって貸し出しコーナーへ向かい、そのまま出口へと歩き始めた。