夜の街から

あたしは、決して勘が悪いとは思わない。
今までだって、あたしの勘が外れることは稀だ。

周りの男の子達も気が有る子はなんとなく見抜けた。


……―――でも、彼等の気持ちは見抜けなかった。

壱貴は先生、としての態度以上の物を何一つ見せなかった。
稀癒は幼馴染みと云う壁をしっかり作って居るように見えた。


こんな事は初めて。
断ってはいけない気がする。

でも二人を比べる、なんてこと全く出来ない。

それぞれの存在はあたしの中で独立して確固たる物に変化している。
これ以上にも以下にもなりそうもない。

それだけは確かだ。


< 101 / 227 >

この作品をシェア

pagetop