夜の街から
そんな想いを抱えながらも、月日は過ぎて行く。
多分葵子は全く気付いてないと思う。
あたしは悟られぬように必死に隠して来たから。
最近は毎日葵子と寄り道をしてから帰る。
例えば学校の近くにあるファミレスで時間潰したり、ウィンドウショッピングをしたり。
新たな葵子を知ることで、あたしの喜びは大きくなる。
“好き”が膨らむ。
葵子の笑顔が見れるだけで幸せで。
その笑顔をもっと増やしたいって思う。
……――――――喩え手に入れられない“存在”だとしても。