夜の街から




「わあああああぁぁぁ!!!!」





涙が混じったあたしの叫び声。
部屋に入った瞬間、切れた。


………精一杯張ってた緊張の、糸。

葵子に気付かれたらお仕舞い、そんな焦る心。
それと、
葵子の彼氏に対する小さな、小さな虚栄心。


叫ばすには居られなかった。
周りに当たらすには居られなかった。



一番大切なものを、取られた。
悔しい。
悔しいよ。

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