夜の街から
まだ会えない。
あれから1ヶ月は経った。
お礼も出来てないのに。
ある日の夕食で母さんが言った。
「お見合いしてみない?」
あたしは、どう反応すべきなんだろう。
全く分からない。
まだ髪も全然延びてないし、あたしは女の子らしくない。
きっと相手だってあたしなんかお断りだろう。
「何で?」
「もう、貴女も17だし、たくさん申し出が来ているのよ。ある程度は断っているんだけれどどうしても断れないものもあって。出席してくれるだけでいいから。お願いできる?」
何だか、断れない雰囲気。
まあ、会って食事するだけだろうからやろうかしら。
「かまわないよ。」
母さんは何だかホッとした様な表情をしていた。