夜の街から
両親は、あたしが無理矢理了承したと思ってるらしくて、
「気の進まない事はさっさと終わらして終いましょうね。また今度お詫びにどこか連れて行ってあげるから。」
なんて言って、大急ぎで準備してる。
あたし的にはそんなに嫌だとは思わない。
ただ、ほんの少しめんどくさいだけ。
だって、着物やらなんやら普段全く身に纏わないものをおく訳だから。
「お嬢様、よろしいですか?」
ユウちゃんは帯を締め終わるとキツさを確認した。
あっという間にお見合いの日はやってきた。
気付いたら……って感じで。
母さんが襖に手を掛ける。
連れて来られた会場は何処かの料亭だった。
多分、父さんの利用頻度が高い処だと思う。