夜の街から

「写、真……?」

「ああ。」

その時、なんとなく分かった。
これは偶然何かじゃ無いって。
彼は知っていたんだって。


「ライブしてるのも、調べさせたんですか?」

「親父がくれた貴女についての資料に書いてあった。」

「何処まで―――……」

微笑んで、「安心して。」と言い放った彼は、男装していた理由までは書いてなかったと言った。


何となく安堵して、思いだし―――…


今度は彼は「大丈夫。」と言った。
理由の他言はしていないから、と。


疑り深く睨んでみたが、何も獲られなかった。
あまりに表情が鉄壁すぎて。


「どう?ゲームしてみない?」

< 163 / 227 >

この作品をシェア

pagetop