夜の街から

あたしが手を放せば、ゲームはあたしの勝ち。

それはそれで、かまわない。
父さんの会社に有益な技術が手に入るんだから。

でもあたしの気持ちは?
無視??

プライドなんて、気持ち認めた時には棄ててたのに。


今まで散々悩んでた。
その時にこの話を持ちかけてくれていたら………


…………ううん。
きっと無理だった。
その時だったら、あたしは迷わず、いや多分かなり迷うと思うけれども。
手を握り締めた。

さっきの一言がきっかけであたしは気持ちを認めて。
必ずその人へ駆けて行った。


でも、でもね。
今はね。

こんなにも好き、だと認めてしまった。
好き、になってしまったからこそ。

その人を想わずにはいられない。
あたしの何よりも、その人の事を優先させたい。

と、思う。


だからあたしが引くことがその人の為、ならばあたしは構わず身を引いてしまう。

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