夜の街から
でも、あたしばっかりではだめ。
あたしばっかり甘えてたら意味が無いから。
その日は朝から落ち着かなかった。
今まで通り、仲良かった頃の様に声を葵子は掛けてくれた。
嬉しかったけど、それ以上に緊張が走ってて。
きっと挙動不審に違いなかった。
なんとか長い1日を終えて、玄関に向かう。
いつも通りそこに在るBMW。
いつも通り近付いて。
いつも通り扉を開く。
ただ、一つ違ったのは扉を閉めて直ぐに眠りに就いたこと。
きっと緊張で喋れなかったに違いないから。
喋れても、きっとぼろを溢してしまう。