夜の街から
肩を軽く揺すられ、耳元で囁かれる。
「起きて。お家に着いたよ。」
心臓が、跳ねた。
本当は眠れなかった。
寝返りを打っても、シートを倒しても。
隣の蓮が、どう反応するか気になってしまって。
ゆっくり起き上がる。
チラッと表情を盗み見ると、目があった。
思わず顔が熱くなる。
「あの、ね。話があるの。今から少し話しても大丈夫?」
「いいよ、でもなんで走行中話さなかったの?」
「余りにも眠たくて。ゴメン、時間取らせて。」
「大丈夫。で、何?」