夜の街から
深く、息を吸う。
「あのね、1ヶ月立ったでしょ?だから、勝敗を決めようと思って。」
「……」
「あたし、1ヶ月ちょっとの間毎日送ってもらったよね?本当、楽しかった。たくさん話が出来たし、色々教えてもらった。葵子の事は心から感謝してる。」
「……ん、そうだね。」
「本当、良かった。でもね、でも。気持ちは傾かなかった。」
「……」
「ごめんね、好きになれなくて。こんなにたくさん愛情もらったのに、還せなくて。賭けはあたしの勝ち。」
言い終わった瞬間扉をおもいっきり開き、外に飛び出した。
通用門まで必死に走って慌てて閉める。
息を吐いて、上を向いた。
思わず、涙が零れそうだった。