夜の街から
ただ黙って本読んだりギター触ったりしてるあたしを見ていた、ユウちゃんはホントに心配してた。
「お食事、お運び致しました。」
「分かった。後で食べるね。」
「今食べて頂きたいのです。」
「食欲ない……」
日々、毎食こんな会話が繰り返される。
食べたい、って思わない。
最初は食べたくなかったから、食堂に下りていかなかったらいつしか運んでくれるようになった。
母さんからも、父さんからも、お兄ちゃんからも何か口にしろ、と言われる。
でも、食べても直ぐにお腹いっぱいになってお茶碗半分のご飯すら食べきる事も出来なかった。
「お客様がいらしています。学校のお友達とか。」
「通して。」
ユウちゃんが連れてきたのは葵子だった。
葵子に微笑んだあたし、を見た葵子は泣き出した。
「お願いだから、お願いだから何か食べて……」
休み出してから1週間ぐらい、たったと思う。
曜日の感覚なんて無くなってしまってた。