夜の街から
心臓の仕事を増やしたきっかけは、訪問だった。


「お客様がいらしています。」

そう、言って部屋に入れてしまった。
そんなこと初めてだった。
いつもは必ず、確認してから連れて来るのに。


入って来た人を見て、息を飲んだ。


「久しぶり。」

「出てって!!あたしは話す事なんて無い!!!!」

突然で、混乱した。

ベッドに飛び込むと、おもいっきりシーツを引っ張り、被った。

「俺には、ある。簡単には出ていかないから。」

低い声は、少しだけ威圧的だった。


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