夜の街から
いきなり、何?
あたしは別れた、って付き合ってないから縁談破棄したってのが正しいと思うけど、そう、伝えたはず。
「俺は諦めない。」
そんなこと言わないで。
「なんか、直感だけど気持ちが伝わってきた気がしてた。」
その通りだよ。
「でも、勘違いだった?」
「違ッッ!」
あ、って思った。
やっちゃったって。
シーツを捲って顔を出してしまったあたしは嫌でも、ベッドの前に座るその人と視線が重なる。
あたしはその強い視線に怯んで、思わず顔を背けた。
その視線とあたしの視線を重ね続けたらあたしはきっとその人の為にならない道を取ってしまう。
それじゃ、意味がない。