夜の街から
「例え俺が周りから何を言われようと、俺は自分で決めた道に進む。深く考えて出した結果ならなおさら。」
そんなこと言ったって、あたしに利く自由なんて狭いもの。
結婚だって駕籠の中の鳥になるのだから。
「ちゃんと自分で考えた?周りから何か、俺の為にならないとか貴女の為にならないとか言われなかった?」
「言われてない!あたしが自分で決めたの。ちゃんと考えたんだから…!」
軽くヒステリー気味になってしまう。
「そりゃあたしはまだ高校生だから直ぐには結婚出来ないし、その結婚だって普通に恋愛して決めれる訳じゃない。」
視界がボヤけてくる。
「でもあたしは、決めた相手には心を込めて接するし、気遣う。でも、あたしはそれが出来なかった…疲れてるのも定時の事とかも気付けなかったの!だから、だから……」
言葉が濁る。
これ以上続けられない。
涙は止めどなく、次々落ちて行く。