夜の街から
「疲れ…?定時…?」
あ、しまった―――…
「凌駕に何を言われた?」
「なッ、何も!」
ヤバい、噛んだ。
明らかに、挙動不審。
「何を言われた?」
声が低くなり、目付きが鋭くなる。
怒りが、ひしひしと伝わる。
「何も、言われてない…」
思わず下がる、音量。
怖くて、直視できない。
顎を掴まれ、視線が重なる。
剰りに強いそれに怯み、目を游がせてしまった。
「本当に何も、無いんだな?でも、凌駕には会ったんだな?」
ああ、そこから否定しなきゃダメだったのに……