夜の街から
そう言ったその人はあたしに顔が見えないように更に顔を背けた。
でも、耳が真っ赤なのを見てしまったあたしの頬はみるみるうちに緩んでいって…
「あたしの事は?好き?」
グイッと押して身体を引き離し、少しだけ上目遣いで問い掛ける。
案の定、顔は紅くて。
思わず、可愛い!なんて叫んで仕舞いそうだった。
突然の事に、目を游がせているその人は。
フッと表情を和らげて、
「好きだよ。」
微笑んだ。
今度はあたしが紅くなる番だった。