夜の街から
「え?次の見合い相手が決まった?」
背筋がスーッと寒くなる。
反対されたらどうしよう…。
「あ、それ断る。もうフィアンセ決めちゃったから。」
どうか、どうか反対しないで…!
「大丈夫。相手は親父も会ったことあるし。結構気に入ってたじゃん。」
……そうなの?
「あぁ。うん、連れてくる。俺が認めたんだから間違いないって。」
どこに行くの?
「じゃあ、了承したッて事で。あ、それと。俺の秘書の凌駕に伝えといて。クビだって。」
な、何もそこまでしなくても。
事実、彼の言うことには一理有った。
「あぁ、よろしく。頼むな、親父。じゃあいろいろやること有るから。」
電話を切った彼は再びあたしを抱き締める。