夜の街から



あたしは―――…



「もちろんです。その為のお見合いですから。」

うん。
あたしも、その人だったらって思える。

だから、あたしも父さんに向かって頷いた。


「じゃあ、近々そちらさんとも話し合って婚約会見しようか。」

「そうですね。父にも、そう伝えておきます。」


改めて、実感する。
今、凄く幸せだって。
大好きな人がいて、家族にも思ってもらえて。


あたしを取り巻く環境は、あれから大きく変化した。

養女だって分かってから得たものがある。
深夜徘徊をするようになって、築けた大切な関係もある。
ギターから始まったライブという生き甲斐。

それらが有って、今のあたしが在る。


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