夜の街から
蓮とゆっくりとお茶を飲んでいる時だった。
「久しぶりに慶華の歌が聞きたいよ。」
驚いて、彼を見つめると彼は閉まってあったギターを取り出した。
彼はゆっくりとケースから出して軽く調弦するとあたしが作った曲を弾き始めた。
「な、なんで弾けるの…?」
「もちろん、練習したから。」
「いつ?」
「えっと…昔?」
「……」
「あ、ごめんごめん。君を見付けて曲を聞いたときから。」
「そ…うなの?」
「そうだよ。今だって時々練習してるさ。」
「ギター持ってるの?見たこと無いし、弾けないって思ってたから…」
彼はちょっと残念そうな笑顔を浮かべ、続きを弾き出した。
「さあ、歌ってよ。僕の歌姫。」