夜の街から

朝、教室に入った瞬間、空気が凍る。
ゆっくりと視線があたしを通ってゆく。

あたしはそれを無視して自分の席に着いた。
今ではもう、慣れてしまった。

嫉妬、妬み、蔑み、時には羨ましさの籠る視線。


…―――なによ、ちょっと人より可愛いからってあんなに偉そうにしてッッ。

…―――いくら財閥のお嬢様だからって何我が物顔してるのよ。

…―――人の男盗っといてまるで悪気の無いような態度、ホントにムカつくんだけど!!



ふッッ。

< 4 / 227 >

この作品をシェア

pagetop