夜の街から

あたしは息を吸い、注意深く言葉を吐く。


「こいつは、あたしの担任。学校の担任、なの。」

あたしの言葉に一気に驚いた表情を見せる壱貴。

こいつは、って言った時に短く、チッと舌打ちされた。
皮肉だったから聞こえ無かったふりをした。


「あたし、登校拒否ってるから何度も先生とかから連絡来てたんだけど、返事するの嫌だったからスルーしてたら、こんなことになっちゃった。」

「なんで返事もしなかったの?」

まあ、普通それ聞かれるよね。


「自分の事話すのって嫌いなの。」

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