夜の街から
中々、両親に聞く勇気が出ない。
でも、ちゃんと壱貴が背中を押してくれたから勇気が出た。
一週間もかかってしまったけれど。
「話ってなあに?」
「珍しいな、話しかけて来るなんて。」
今までどれだけ受け身だったんだ、あたしは。
単刀直入に聞く。
あたしは前置きが苦手だ。
「あたしは養子なんでしょ?どうして?」
「……あの部屋を覗いたのか?」
あたしは無言で頷く。
「だから入るな、と言ったのに。まあ、知ってしまったのだから話すが、お前は…「私が話すわ。」
黙ってた母さんが重たそうな口を開いた。